沖縄の観光地の1つに「斎場御嶽(せーふぁうたき)」という場所があります。
ガイドブックにも必ず紹介されているほど有名な場所なので、知っている方も多いのではないでしょうか。
「なんだかパワーがもらえそうだし行ってみるか~」という感じで行くのもありなんですが、やはりどうせいくなら少し知識を得てからのほうが楽しめます。
またここは観光地といえども、他の場所とは全く違います。
観光気分でワイワイ行く場所ではないので、マナーをしっかりと守って見学しましょう。
今回はそんな超パワースポットでもある斎場御嶽について、簡単にわかりやすくご紹介したいと思います。
これから行く方の参考になれば嬉しいです。
目次
斎場御嶽は琉球最高の聖地
沖縄(琉球王国)は、遥か昔、異界であるニライカナイからやってきた神「アマミキヨ」によって作られたとされていて、斎場御嶽は、アマミキヨが国始めにつくったといわれています。
その神話に基づく信仰と歴史を伝えているのが、沖縄各所に残る「聖地」と呼ばれる場所です。
沖縄には数千ともいわれる聖地、聖域(御嶽)がありますが、その中でも斎場御嶽は最も格式が高い場所で、琉球の最高神女(さいこうしんじょ)であった「聞得大君(きこえおおきみ)」の就任の儀式が執り行われたり、国の吉凶を占う儀式なども行われていた場所です。
「斎場(せーふぁ)」は「最高位」を意味し、「斎場御嶽」は「最高の御嶽」という意味で、これは通称です。
正式な神名は「君ガ嶽、主ガ嶽ノイビ」といいます。
また斎場御嶽は本来、男子禁制の場で、琉球国王でさえ、聖域内に入る際には女性用の衣装に着替えたと伝えられています。
2000年には世界遺産にも登録され、沖縄のほとんどの御嶽は、部外者の立ち入りを禁止しているところが多いのに、一般人も何故か立ち入ることが許され、観光地化されています。
まずは「南城市地域博物館」を目指そう
斎場御嶽へ行くときは、カーナビなどの目的地を「南城市地域物産館」としてください。
理由は斎場御嶽の入場チケットをここで購入し、斎場御嶽へはここから徒歩で向かうからです。
駐車場から斎場御嶽までは約400m、徒歩10分くらいかかります。
以前は斎場御嶽のすぐ近くまで車で行くことができたんですが、観光客増加に伴ってか、今この物産館前に駐車するようになっています。
駐車代金は無料です。
いよいよ入場します!
斎場御嶽に向かって歩いていくと、入り口に「緑の館・セーファ」という建物があります。
ここでチケットを渡し、斎場御嶽の簡単な紹介と、守るべきマナーについてのビデオ鑑賞をします。
斎場御嶽の見どころとしては、御嶽の中にある6つのイビ(神域)です。
順番にイビを見学していきます。
①ウローカー
ウローカーの「カー」というのは沖縄の言葉で泉や井戸のことです。
最初の拝所で、斎場御嶽に入る前にここの水を浴びて清める場所とされていた場所です。
でも、現在はウローカーへ行く参道が崩落しているため、数年前から立ち入り禁止となっています・・・。
なので、この場所の存在を知らないまま、参拝に進む方がほとんどです。
でも実は、国道331号線からならウローカーに行くことができるんです。
331号線沿いに看板もあるので場所はすぐわかります。
順序的には、先にウローカーへ参拝(お清め)してから斎場御嶽へ入場されるのが一番良いので、時間の許す方は先にウローカーへ行ってみてくださいね。
②御門口(ウジョウグチ)
斎場御嶽の入り口にあたります。
入り口には、石の香炉が6つ置かれているんですが、これは御嶽内のイビ(神域)の数を示していています。
かつてはここから先は、神事をする人しか入ることができなかったため、一般の人はここで6つの香炉に祈りを捧げていました。
③大庫理(ウフグーイ)
御門口から歩いていくと、左手に見えてくる拝所です。
大庫理(ウフグーイ)というのは「大広間」という意味らしく、名前のとおり開けた空間になっています。
ここは聞得大君(きこえおおきみ)の就任の儀式「お新下り(おあらおり)」が行われていた場所です。
この石段の上で実際に祈りが捧げられていたようで、現在も拝所なので一般の観光客が石段にあがることは禁止となっています。
またこのちょっと白っぽい岩、沖縄(琉球)のシンボルである「龍」の顔が見えると言われています。
どうですか?龍、見えます?
私はもう龍にしか見えなくなっています(笑)
私はこの場所が何か、一番神秘的なものを感じました。
霊感も何もない私なので根拠もないですが、ゾクゾクという感じ、そんな感じが一番した場所でした。
大庫理を参拝後、先を進むと道が二手にわかれますが、順路的に左へ進みます。
艦砲穴(かんぽうあな)
少し歩くと右手に小さな池が見えてきます。
御嶽とは直接関係ないので、斎場御嶽のパンフレットにも「池」とだけしか書かれていませんが、普通の池ではありません。
この池は、1945年の沖縄戦時にアメリカ戦艦の砲弾が撃ち込まれてできた穴で、そこに水が溜まってできました。
今は池の深さは60センチほどですが、当初は深さ3メートルもあったようです。
砲弾の威力を感じます。
沖縄では至る所で戦争の爪痕が見られますが、斎場御嶽は被害は少なかったようです。
もしかしたら神様が守ってくださったのかもしれませんね。
④寄満(ユインチ)
艦砲穴を過ぎるとすぐにあるのが「寄満(ユインチ)」です。
寄満とは、王府の言葉で「台所」を意味するんですが、ここでの意味はちょっと違うようです。
当時貿易が盛んだった琉球王国では数々の交易品が寄せられました。
この場所は、その交易品が集まった場所とされています。
ユインチの文字通り、「豊穣の寄り満つる所」という解釈のようです。
⑤シキヨダユルとアマダユルの壺
大庫理(ウフグーイ)があった分かれ道まで戻り、今度は右(ユインチからは真っすぐ)に進みます。
巨大な鍾乳石があります。
この2本の鍾乳石から滴り落ちる水を受ける壺が置かれていて、今でも水を貯め続けています。
この聖水も拝所で、シキヨダユルの聖水は、聞得大君(きこえおおきみ)を最高神職に就任する「御新下り(おあらおり)」の儀式で使用されました。
聞得大君は、この儀式で神と同格になったといわれています。
またアマダユルの聖水は、首里城の王子の儀式に使われたそうです。
この場所も私はちょっとゾクゾク、空気が違うように感じた場所でした。
⑥三庫理(サングーイ)
最後の拝所で、斎場御嶽の中でもシンボル的なスポットとなっています。
めちゃくちゃ大きな岩で、見るものを圧倒します。
2つの大きな岩が絶妙なバランスで支え合っているので、「安定の場所」といわれているそうです。
そして、見事に三角形の空間ができているのにもびっくり!
よくこんな形ができるものだなと自然の力に改めて驚きです。
この三角形の突き当り部分が三庫理(サングーイ)という拝所です。
斎場御嶽の一番奥にある三庫理(サングーイ)には、香炉がたくさん置かれ、金製勾玉などが鎮められていました。
ここがとても重要な場所であることを意味します。
写真右側にはたくさんの香炉(15の香炉)が置かれていますが、ここが「チョウノハナ」と呼ばれる拝所で、斎場御嶽の中で最も神聖な場所とされています。
ここに置かれている15の香炉は、歴代の聞得大君と同じ数で、ここに神が君臨すると言われています。
久高島遥拝所
三庫理(サングーイ)の左手に「神の島」といわれている久高島が望める場所があります。
久高島は、琉球王国を創った最高神「アマミキヨ」が降り立ったと言われている神の島です。
沖縄はこの久高島から始まったと言われています。
斎場御嶽ではマナー守って参拝しましょう!
斎場御嶽を含めて、沖縄に伝わる各聖地は沖縄の人にとってとても大切な場所です。
観光中に地元の方がお祈りしている姿も見かけます。
訪れる際は観光気分で騒いだりしないで、敬いながら拝礼するように心がけましょう。
また、ヒールなど底の高い靴は控えましょう。
歩きにくいだけでなく、神聖な場所に相応しくありません。
入り口の案内所でも歩きやすい靴を貸してくれますので、履き替えて行きましょう^^
斎場御嶽の情報
冒頭にも書きましたが、チケットは斎場御嶽では購入できません。
駐車場も兼ねた「南城市地域物産館」のチケット売場窓口(自動券売機)で予め購入して向かいます。
3月~10月 9時~18時 (最終チケット販売 17時15分/最終入場 17時30分)
毎年日にちが違うのでHPを確認してください。
http://okinawa-nanjo.jp/sefa/
※入場チケット売り場からの移動時間も含めた時間です
出発時間:9:30発・10:30発・11:30発・12:30発・13:30発・14:00発・14:30発・15:30発・16:00発
料金:高校生上300円
所要時間:50分ほど
平日のガイドは1週間くらい前までに予約すれば可能です。
ガイドさん案内の見学はとてもおすすめです!
斎場御嶽にまつわる神話や、琉球王国の歴史や文化などを聞きながらの見学は、ただ見て回るだけとは違い、より御嶽への理解が深まり、とても楽しかったです。
まとめ
琉球王国時代から沖縄の人々に大切に守られてきた斎場御嶽。
豊かな自然や拝所は、琉球王国時代からその姿を変えずに歴史を今に伝えてくれています。
沖縄に来たのなら、色々な意味で一度は足を運びたい場所なので、是非訪れてみてくださいね。
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